この記事では近3年(2019年~2021年)中山競馬場で開催された芝2500ⅿのレース結果を基に成績の良い種牡馬や厩舎、鞍上と成績の悪い種牡馬や厩舎、鞍上をデータで紹介したいと思います。
中山芝2500ⅿの特徴
中山芝2500ⅿはGⅡ日経賞やグランプリのGⅠ有馬記念が行われます。2コーナーで分岐して内回りと外回りに分かれ、3コーナー地点で再び合流するレイアウトとなっています。2500ⅿ戦ではスタートは外回りの3コーナー手前で、2週目の2コーナーから内回りに入ります。スタート直後の3コーナーからスタンド前に出てくるまで先行争いが繰り広げられるため、主導権争いが激化しやすい傾向にあります。先行できる馬の方が有利であり、差し・追込馬の場合は、よっぽどの末脚があるなど飛び抜けた能力の持ち主でない限り勝つのは難しいです。
最後の直線は310ⅿであり、中央開催としては短く設定されています。東京の直線約525ⅿと比較しても短い直線ということがわかります。また、ゴール手前220~270ⅿ地点の上り坂は高低差2.6ⅿの急坂であり、日本一の急坂となっています。
データでの傾向
近3年の結果から中山芝2500ⅿで相性の良い種牡馬や厩舎、鞍上と相性の悪い種牡馬や厩舎、鞍上などについてデータを紹介します。
種牡馬は中枠のハーツクライ産駒
1~3着数をみるとディープインパクト産駒が18回と圧倒的に多いが、単勝回収値が24と馬券的中には買うべき種牡馬ではあるものの全く儲かりません。
一方で2位のハーツクライ産駒に着目すると1~3着が6回であり、ディープインパクト産駒に比べると3分の1に過ぎないが勝率や単勝回収率がディープインパクト産駒より高いです。単勝回収値が119と100を超えているあたりも優秀です。
ディープインパクト【5 6 7 41】勝率8.5%、複勝率18.6%、単勝回収値24、複勝回収値66
ハーツクライ 【3 1 2 23】勝率10.3%、複勝率13.8%、単勝回収値119、複勝回収値48
特に2019年に有馬記念を制したリスグラシューなど、すべての好走を記録したのは3~6枠であり【3 1 2 6】、勝率25%、複勝率50%、単勝回収値289、複勝回収値118となっています。この結果、数値からも中枠のハーツクライ産駒がいれば注目すべきといえます。
出走数は少ないが好走の多いエピファネイア産駒
中山芝2500ⅿのエピファネイア産駒で好走といえば2021年の有馬記念の優勝馬エフフォーリアが真っ先に思い出されると思います。トータル成績でみても【3 0 0 1】、勝率75%、連対率75%、複勝率75%、単勝回収値157、複勝回収値85と好走しているのはデータを見ても一目瞭然の結果となっています。
1、2枠の国枝栄厩舎
国枝栄厩舎といえば、芝GⅠレース9勝の最多記録を打ち立てたアーモンドアイや牝馬三冠を達成したアパパネなど数多くの名馬たちを輩出した厩舎であり、現役調教師の中でも最多の勝利数を誇っている名門厩舎です。そんな国枝栄厩舎ですが、中山芝2500ⅿの舞台だと【4 4 0 9】、勝率23.5%、風勝率47.1%、単勝回収値65、複勝回収値72という成績であり、厩舎別では最多の勝利数です。単勝回収値こそいまひとつではありますが、1、2着の計8回は異なる6頭で記録した点は評価できるポイントだと思います。
そんな国枝栄厩舎で勝つには、1番人気と2番人気だけを買えばいいでしょう。というのも、1番人気と2番人気だけの結果をみると【4 2 0 1】、勝率57.1%、複勝率58.7%、単勝回収値158、複勝回収値118と単・複ともに回収値が100を超えているからです。唯一の凡走は2019年有馬記念のアーモンドアイ9着だが、馬場や体調面での問題があり凡走する理由がありました。
鞍上は横山典弘騎手と横山和生騎手の親子
中山芝2500ⅿの舞台で単独トップの5勝をマークしたのはベテランの横山典弘騎手です。トータル成績は【5 1 1 8】、勝率33.3%、複勝率46.7%、単勝回収値152、複勝回収値73となっています。
日経賞では2019年にサクラアンプルールで4番人気3着、20年にはミッキースワローで1番人気1着と2年連続で好走している。好走は単勝10倍以内の馬に限られているため、あまり大きな穴馬での好走は期待できないです。しかし、勝負圏内であれば安心して買いで良いでしょう。
息子である横山和生騎手も【1 1 1 3】と悪くはなく、勝った馬は単勝72倍の人気薄であり狙ってみる価値はあります。
有馬記念での注目馬
12月25日に開催される有馬記念の中で上記データを加味した注目馬を紹介します。
タイトルホルダー
タイトルホルダーは昨年も有馬記念に出走しており5着でした。
そんなタイトルホルダーですが、主戦ジョッキーは横山和生騎手であり有馬記念でも騎乗予定です。横山和生騎手は中山芝2500ⅿで【1 1 1 3】と相性が良いです。また同じ舞台である日経賞でも勝利しており、トリッキーな中山2500ⅿコースの適正もあると考えられます。
さらに父のドゥラメンテ産駒は1800ⅿ以上の牡馬に限り、「前走5着以内の好走馬」、「新馬戦」、「休み明け(中9週以上)」のいずれかの条件場合、【18 14 12 52/96】、勝率18.8%、連対率、33.3%、複勝率45.8%、単勝回収値140、複勝回収値121と好成績を残している。つまり馬自身がフレッシュな状態にあるときに好走する傾向があります。タイトルホルダーは前走凱旋門賞に出走し11着と敗れているが前走から12週間隔が空いており、「休み明け(中9週以上)」に該当し、フレッシュな状態での臨戦ということになります。
相性の良い横山和生騎手と舞台に加えて、ドゥラメンテ産駒の特徴からも好走が期待されます。
エフフォーリア
昨年の優勝馬エフフォーリアです。最近は凡走が続いており、エフフォーリアのピークはもう過ぎたとの声もよく聞かれますが、やはり昨年の優勝馬ということもあり連覇が期待されます。
またエフフォーリアはエピファネイア産駒であり、上記のデータに当てはまります。中山芝2500ⅿでのトータル成績が【3 0 0 1】、勝率75%、連対率75%、複勝率75%、単勝回収値157、複勝回収値85であることから、馬券を考える上では外せない存在になるのではないかと思います。
近走は凡走続きであるため、復活での優勝を期待したいです。
まとめ
中山芝2500ⅿの特徴
- スタートは外回りの3コーナー手前で、2週目の2コーナーから内回りに入る
- スタート直後の3コーナーからスタンド前に出てくるまで先行争いが繰り広げられる
- 先行できる馬の方が有利
- 差し・追込馬の場合は、よっぽどの末脚があるなど飛び抜けた能力の持ち主
データの特徴
- 種牡馬は中枠のハーツクライ産駒
- 出走数は少ないが好走が多いエピファネイア産駒
- 1、2枠の国枝栄厩舎
- 横山典弘騎手と横山和生騎手
データを加味した今年の出走馬
- タイトルホルダー
- エフフォーリア
今回の記事では中山芝2500ⅿの特徴と馬券の参考になるデータを紹介しました。また、最後にデータを加味した有馬記念出走馬の中での注目馬を挙げました。
最後に紹介した注目の出走馬に関しては、中山芝2500ⅿレースすべてに該当するものであるため、有馬記念の過去の傾向やデータに基づいた注目馬や予想については、また後程紹介します。
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